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○年代後半からは投資銀行の全盛時代で、投資銀行は3.5倍に増えた外国からの投資に○〜○倍のレバレッジをかけて運用するわけですから、合計で100〜140倍(3.5×○〜○)の金融資本をアメリカは使えるようになっていきます。
しかも、それほど莫大な資本がアメリカに入ってくれば、株も上がる、住宅価格も上がる。
それがサブプライムローン問題へとつながっていくのです。
アメリカは例年以前と比べて100倍もの資本を手にすることができました。
だから、欧米を中心とした世界の投資家は、わずか十数年で100兆ドルもの金融資産を増やすことができたのです。
日本は戦後○年かけて個人金融資産を1500兆円増やしました。
金額にして6倍、期間にして5分の1で、日本の○倍のスピードです。
アメリカは事実上無から有の資本を手にしたことになります。
「大きな物語」の最大の成功例日本は1964年(日銀調査開始)、○兆9000億円だった金融資産を、1995年末には1180兆円ほどに拡大しました。
それが2008年6月現在では1504兆円にしか増えていません。
この間、324兆円の増加になるのですが、世界の金融資産の増加が○円だったことと比べると、いかに少なかったかがわかります。
いくら日本は貯蓄率が高く、世界一の貯蓄から増した金融資産がある国だといっても、持っているままで動かさなければ、金融資産はほとんど増えていきません。
日本の金融資産は、○年度から○年度までは1年間で平均すると、○兆9000億円も増えていたのですが、2000年度から○年度までは○兆3000億円しか増えていないのです。
増加ペースが5分の1に落ちてしまいました。
銀行のバランスシートからみると、負債サイドに個人の預金(個人金融資産の半分)があり、資産サイドには銀行貸出があります。
日本の個人金融資産の○%が預金(775兆円)なので、個人金融資産が増えていくには、預金金利が上昇する、つまり、貸出日本の成長モデルは、あくまでも輸出立国です。
輸出で儲けることは、貿易黒字を増やすこととほぼ等しくなります。
貯蓄率の高い国は、貯蓄投資バランス(マクロバランス)上、貿易黒字だということになります。
つまり、日本の成長モデルというのは、消費を我慢して将来のために節約し、貿易黒字を蓄積していくというモデルで、実際、そうして○年をかけて1500兆円まで金融資産を積み上げていったわけです。
近代の「大きな物語」としては、もっとも成功した例となりました。
金利が上がらなければなりません。
日本は金利が低いので、銀行が貸し出しても、実体経済ではあまり利益を生みません。
つまり、日本が持っている金融資産1500兆円は、動かさないままだと、年間で約1%の利息分、つまり7兆8000億円(775兆円の預金資産×1%の利息)ほどしか増えていかない計算になります。
貯蓄残高が少なくても、ほかから資金を集めて、レバレッジをきかせて右から左に動かせば十分に利益を上げられることがわかったのです。
アメリカはヨーロッパなどとの間で資産の売買を繰り返すことで回転率を上げて、金融資産を増やしていきました。
ところが、1995年からアメリカで始まったモデルは、我慢をして所得のなかから将来のために積み立てるのではなく、他人のお金を借りてきて、それを回転させ、またたく間に巨額な資本へ膨らませていくというものでした。
日本のモデルと比べ、良いか悪いかは別にして、きわめて効率的に資産を増やすことができます。
それが、主に債券市場と株式市場で、先ほどのような大きなレバレッジをかけて行われてきたわけです。
しかも、1997年から、日本は前人未到の「超低金利」時代に突入しています。
日本の3年国債利回りは○年9月中旬に2.0%を下回って、その後、現在に至るまで続いています。
2.0%以下の期間は○年2月の段階で2年と3か月になりました。
通常4年周期で生じる景気循環では、説明できない「超低金利」です。
金利の記録は紀元前3000年のシュメール王国の時代からあるのですが、○年目に入っても2.0%以下というのは、イタリア・ジェノバの2年(1611〜○年)を○年9月に更新したことになります。
このイタリア・ジェノバの超低金利は過去起きたことがないという意味で「利子率革命」と称されていますが、それにならうなら、1997年以降の日本の超低金利は、「別世紀の利子率革命」と名づけることができるでしょう。
超低金利の長期化は、このままでは従来のシステムが維持できないということの表れです。
長期金利は利潤率の代わりとして用いることができますので、利潤率が著しく低い状態が長期化するというのは企業が経済活動していくための必要最低限の資本蓄積ができないということを意味します。
超低金利は概ね先進国共通の問題です。
従来のシステムとは、資本と国家と国民の三者の利害が一致しているという前提の上に成り立っている資本主義のことです。
イタリア・ジェノバの「利子率革命」は、中世荘園制・封建制社会から近代資本主義・主権国家へとシステムを一変させることになりました。
では、「○世紀の利子率革命」は、私たちに何をもたらすのでしょうか。
社会を規定しているシステムが不変である場合には過去の常識が通用するのですが、○年代以降、起きている現象が過去の常識で説明できないのは、現在が歴史的転換期であるからです。
「利子率革命」が終了するのは、経済・社会構造の激変がある程度収束に向かったときです。
あと、少なくとも○年は経済・社会構造の激変が続くと予想していますので、先進国における「利子率革命」は続くことになるでしょう。
日本は1990年代に入ってからの金利低下で、デフレに対応ができなくなりました。
また、バブル崩壊の後遺症とその教訓があり、世界の金融資産の拡大競争には消極的でした。
むしろ政策としては、デフレ脱却のためにマネーサプライ(通貨供給量)を増やす方向を選びました。
マネーサプライとは民間(個人、法人)が持つ現金通貨と預金通貨のこと。
つまりは預金をどう増やすのかということになります。
そのため、さらに金利を下げるなど積極的に金融緩和を行い、それでも効果がないと、日本銀行が供給するベースマネーを大量に増やして、長期的には信用乗数(民間銀行の信用創造)が一定であるとの前提のもとに、量的緩和政策でマネーサプライを増やそうとしました。
日本は従来の貯蓄モデルを、ここでも踏襲したのです。
K政権は新自由主義を採用していましたが、その中心に立つT・H経済財政・金融担当相はマネーサプライを増やせという発言をしています。
アメリカがとった新自由主義政策の核心部分、すなわち、貨幣はマネーサプライで増やすのではなくて、金融市場で株式時価総額や証券化商品で増やす時代に入ったのだということが、日本に伝わっていなかったのではないかとさえ思います。
マネーサプライを増すために、日銀は○年2月から2000年8月までゼロ金利政策をとり、○年3月から○年3月まで量的金融緩和政策へ移行し、実質的にゼロ金利が続いていきます。
ほとんど効果を上げませんでした。
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